生きたマウスの乳がん組織で初めてERK MAPキナーゼ活性の観察に成功






細胞増殖に関与するERK MAPキナーゼのFRETバイオセンサを発現するEisukeマウスとHER2乳がんモデルマウスMMTV-Neuマウスを交配し、HER2陽性乳がんにおけるがん細胞のERK活性を観察しました 。がんにおけるERK活性は図に示すように不均一であることが明らかになりました。 ERK活性の高い細胞、低い細胞をFACSにより分取して比較したところ、ERK活性低い細胞がより強いがん形成能を持ち、がん幹細胞マーカー(CD24、CD61)をより多く発現していることが高いことが明らかになりました 。本研究の成果は抗がん剤等でERK活性を阻害すると、がん細胞の幹細胞成分が残りやすいという結果を示唆しています。 今後はERK活性の高い細胞と低い細胞における増殖能や浸潤能の差を検討するとともに、他種のがんにおいても同様の機構が存在するのかについても検討することも必要であると考えています。 本研究における始まりは「乳がん組織における不均一なERK MPAキナーゼ活性」でした。今後も生体における生命の不思議が生体FRETイメージングによりひも解かれることが期待されます。 本研究成果は科学雑誌「Oncogene」に掲載されました (図1)。(こちら


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