WORKSHOP '07


若手支援委員長の講評


 第8回がん若手ワークショップは、8月29日から9月1日まで蓼科高原にて開催され、無事に終了することができました。あいにくの肌寒い曇り空でしたが、実り多い会となりましたことをまずお礼申し上げます。特に、各領域の若手支援委員、講演をされた名古屋大学の高橋隆先生、会を盛り上げ、また差し入れをいただいたOBの方々、そして事務局員の皆様、たいへんご苦労様でした。また、ご多忙中のところを参加いただいた総括班長の谷口維紹先生の特別講演は、打ち解けた雰囲気で大好評でした。ありがとうございました。今年は、中核支援班のご理解のもと、枠が少なくてなかなか参加できないという研究者の意見に答えるべく20名ほど人数を増やして開催することができました。全体を通してみますと、口頭発表は例年よりおとなしいという感想が聞かれました。人数が増えた分、気後れしてしまったのかもしれません。一方、ポスターの方はたいへん活気にあふれており、全部を見ることができなかったというコメントが多かったのは例年以降の反省材料です。発表内容を見ますと、臨床研究のレベルが上がっているのを実感します。ゲノミクス、プロテオミクスのアプローチが容易になり、臨床検体を使った研究が加速しています。一方、基礎研究の分野においても、様々な分子創薬が現実にものになるにつれ、一昔前は夢物語に近かった治療法も手が届く範囲に迫っているのが実感されました。参加者の方々のコメントは、Webにて公開しておりますが、参加者の方々が、幅広いがん研究の講演を楽しんでいるのがよくわかりました。一方、いくつかの反省材料も指摘されており、これらは今後改善したいと思います。広い領域にまたがるがん研究を俯瞰し、異なるバックラウンドを持つ多くの若手研究者たちと交流を深めたこのワークショップの経験が、参加者の方々の10年、20年後の日本を代表するがん研究に繋がることを祈念しております。


がん特定領域若手支援委員会委員長  松田道行