細胞運動時のRhoの活性化(文献21

Rhoはアクチン骨格のバンドリングを誘導し、ストレスファイバーという構造物を誘導する。また、Rhoの活性化がアクトミオシンの収縮を促し、細胞の形態形成に大きな影響を与えることは有名である。この情報から、運動している細胞においてはRhoは尾部で活性化されていた、細胞体を進行方向に引っ張る役割をすると考えられていた。じっさい、タマホコリカビなどではそのような結果がでている。では、実際にはどうか、Raichu-Rhoプローブを使ってイメージングしてみた。ビデオを見ていただければわかるが、Rhoは細胞の進行方向と尾部の両方で活性が高い。しかもよく見ると、尾部で活性が高くなるのは、尾部を中心部に「よっこらしょ」と引っ張るときだけであることがわかる。

Rhoの運動時の画像 左:微分干渉像、右:FRET  By Kazuo Kurokawa.