京都大学生命科学研究科生体制御学

2018年5月8日 シグナル伝達学特論質問に対する回答集

  1. Q: Apoequolin/GFPは化学発光の研究には使われてないのですか?
    A: 発光の系としてはホタルとかウミホタルとか他にもっといいのがあるので、オワンクラゲはあまり使われてません。

  2. Q: ERK活性伝播に関わる分子が細胞ごとに違うという話はないのですか??
    A: EGF-EGFRとは書いていますが、 それぞれファミリー分子がたくさんあって、どれがどこで機能しているかなどの情報は今後の研究待ちです。

  3. Q: SPREADはいつも同じ細胞から始まる?
    A: 統計的には、すべての細胞が同じではない、ということまではいえます。

  4. Q: 分子間相互作用の検出としてY2Hよりもいい?
    A: シグナルノイズ比が低いので、FRETは新規の分子相互作用を検出してくるには通常は向いていません。

  5. Q: 有機蛍光分子にメリットある?
    A: 蛍光タンパク質のメリットばかり話しましたが、もちろん有機蛍光分子にも多くのメリットがあります。価格、明るさ、大きさなどなど。

  6. Q: 蛍光は生体に影響を与えないのか?
    A: 蛍光を発する際にしばしば活性酸素が発生します。神経細胞などでは特に問題になります。

  7. Q: 蛍光プローブを生体に発現させた影響はどうやって排除するのか?
    A: コントロールを正しく置く、としか答えられません。 なにかわからないことがおきてるかも?という疑問は大事ですが、「知らぬことはわからぬものなりけり」と昔の碁の名人も言ってます。

  8. Q: 二光子顕微鏡の画像はXZ平面でも見えますか?
    A: もちろん見えます。

  9. Q: FRETの時に蛍光分子の軸の向きは大事ですか?
    A: 軸が揃っていれば同じになります。

  10. Q: 蛍光タンパク質の生体内での寿命はどうなってますか?
    A: 他の生体内のタンパク質と同じとおもっていただいていいでしょう。 3次構造がこわれればいずれはプロテアソーム系で分解されるでしょう。GFP単体なら半減期は数日はあります。

  11. Q: 標的分子が大きすぎてFRETが観察できない組み合わせはあるか?
    A: 構造がわからない分子がほとんどですから、どこにFRETのドナーとアクセプターをつけたらいいかがわからないことは普通です。